旅行先の写真撮影は、もっぱらコンパクトデジタルカメラで済ませてしまう派なのですが、唐突に動画も撮ってみたくなりました。(コンデジでの動画撮影もできますが、やっぱり持ち方やマイク性能的に専用機の方が良いだろうという判断です)
以前も同じように思い立って、今はなきSANYOのXactiを購入してみましたが、画質(特に静止画)に納得できず出番はほとんどなし・・・。
あれから4年・・・そろそろエントリーモデルでも、良い物がでているんじゃないかと期待して購入を検討。
ガングリップ式(ワンハンドスタイル)がお気に入りなので、今回もXactiの流れをくむ、パナソニックのデジタルムービーカメラから探すことにしました。
重視したポイントは4つです。
- 静止画性能(デジタルカメラとしても使いたい)
- 重量(海外旅行などでは軽い方が助かる)
- SDXC対応(64GBのSDカードを使いたい)
- そしてもちろんコストパフォーマンス
丁度すべての条件を満たしていたのが『HX-DC3』(Amazon)でした。
SANYOを吸収したPanasonic製なので、Xactiの系譜に連なる製品です。
上が今回購入した『HX-DC3』、下が昔購入した『DMX-CG11』です。
色はブラックとホワイトの2色があります。今回はブラックを購入。
光沢感ありですが、指紋が気になるほどではありません。
それにしてもどちらも見た目はそっくりです。
Xacti DMX-CG11は2009年の時点で、これ以上改良しようがないほど洗練された製品だったことがわかります。
操作系統も端子の場所が微妙に違う以外、殆ど変わらず違和感なく動かせます。
直感的に操作できるので、初めての人でも問題なく扱えると思います。
USB接続でWEBカメラとしても利用可能です。(USBケーブル付属)
付属品は最低限の物は揃っています。
編集用ソフトウェア『HD Writer VE 3.0』も付属。(編集ソフトはまだ使っていないので、後日感想を書くかも)
画面は3.0型ワイド液晶モニター。(約23万ドット)
画質はそこそこで、角度がついても色味も変わらず問題なし。
確認用としては十分です。
内蔵メモリは約65MBと少ないので、SDカードは必須になります。
今回、コストパフォーマンスに優れたSDXCカード Digilux『Deolux SDXC 64GB Class10』(Amazon)を購入しました。
静止画、動画共に問題なく認識、使用できました。
1280×720/30pの場合、約13時間20分保存できます。
私の場合、一週間の旅行で1日平均約1時間の撮影+静止画という撮影量だったので、64GB一枚で足りました。
フルハイビジョン(1920×1080)の場合は30pで約8時間20分、60iで約7時間の保存になります。
高画質で撮る場合はSDカードを複数用意しましょう。
【デジタルムービーカメラ< HX-DC3 >スペック】
『HX-DC3』の主なスペックです。
比較用として『DMX-CG11』のスペックも載せてあります。
リンクは公式ページです。
DMX-CG11 | HX-DC3 | |
---|---|---|
撮像素子 | CMOS | 1/2.33″MOS固体撮像素子 |
総画素数 | 約1000万 | 約1440万 |
動画サイズ(最大) | 1280×720ピクセル | 1920×1080ピクセル |
静止画サイズ(最大) | 4000X3000ピクセル(12M) | 4608X3456ピクセル(16M) |
F値 | F3.5~F3.7 | F3.5~F3.7 | 適応メディア | SD,SDHC | SD,SDHC,SDXC |
ビデオ信号(最大) | 1280×720/30p | 1920×1080/60i 30p |
圧縮方式(動画) | MPEG-4 AVC/H.264 | MPEG-4 AVC/H.264、iFrame |
外部出力(映像) | AV端子/ミニHDMI端子 | AV端子/ミニHDMI端子 |
手ブレ補正 | あり(電子式) | あり(電子式) |
記録方式(静止画) | JPEG(DCF/DPOF/Exif2.2準拠) | JPEG(DCF/Exif2.2準拠) |
圧縮方式(音声) | AAC(2ch) | AAC(2ch) |
マイクロフォン | 2chステレオ | 2chステレオ |
風音低減 | なし | あり |
本体質量(使用時) | 190g | 180g |
バッテリーパック | DB-L80 | VW-VBX070-W(DB-L80使用可能) |
単純な画素数を見ても、順当に進化していることがわかりますね。
撮像素子(イメージセンサ)もCMOSからMOSに変わっています。
素子がどうとか専門的なことはさっぱりですが、CMOSとCCDのいいとこ取りなイメージセンサということのようです。
【撮影写真比較】
それでは実際に使ってみた感想です。
今回は重視した静止画を比べてみます。
画素数はHX-DC3が14M、DMX-CG11が12Mです。(同じサイズが選べなかったので、近いサイズで撮影)
そのままアップすると、一枚5MB程度になりサーバー的に無理なため縮小圧縮してあります。
圧縮条件は同じなので、比較には問題ないと思います。
被写体は同じで、上が『HX-DC3』、下が『DMX-CG11』になります。
どちらもオート設定です。
風景写真です。
比べるのが馬鹿らしくなるくらい、びっくりするほど差がでました。
HX-DC3の方が、くっきりはっきり、発色も良好で見映えがする画像です。
静止画として十分な画質といえます。
DMX-CG11は全体的にフィルターがかかったようなくすんだ画像になっています。
紫陽花です。
こちらは、一見どちらも良く見えます。
しかし、同じ被写体なのに、色味が全然違っています。
HX-DC3の方は紫になっていますが、DMX-CG11の方は青に近い色になっています。
紫の方が正しい色です。
こちらでもはっきり差が出ました。
【結論】
完全に『HX-DC3』の方に軍配です。
まぁ、4年前の機種に比べて進化しているのは至極当然なわけですが、それでも一目ではっきりわかるほどの差がつきました。
今回、(容量的な問題で)動画はアップしていませんが、静止画の特徴が動画でもそのまま当てはまります。
つまり文句なしにHX-DC3の圧勝です。
【動画の画像切り出し】
一応、参考までに、720p 30fpsで撮影した動画を画像に切り出してみました。
(SDカードの容量、バッテリーのもちを考えて720pで撮影しているので、画像サイズは1280×720です)
【動画撮影の感想】
動画はHDMI(カメラ側ミニHDMI端子)接続でTVにて視聴しましたが、720pでも1080p(フルハイビジョン)と遜色なく綺麗な画質を楽しめました。(もちろん1080pには及びませんが)
iAズーム(白鳥の画像部分)機能で、劣化なくズームアップできます。
マイクもしっかり音を拾ってくれます。コンデジの動画撮影と比べると、音が良いのが嬉しい部分です。
山の風切り音も軽減されていたので、風音軽減は嬉しい機能です。
手ぶれ補正は電子式ですが、普通に撮影するだけならしっかり効いていると思います。
歩きながらでも十分使えます。(ズーム時での揺れは仕方ないところですが)
HDMIケーブルは付属していないので、本体をテレビに繋げてハイビジョン映像を視聴する場合はHDMI-ミニHDMIケーブル(Amazon)が必要です。
【バッテリーとチャージャーについて】
バッテリー型番は『VW-VBX070-W』です。
これはSANYOの『DB-L80』と互換性があるので、DB-L80バッテリー(ペンタックスD-LI88も互換性あり)をそのまま使用できます。
1920×1080/30p時での実撮影時間は約35分なので、付属の1個だけでは足りません。
純正品(Amazon)は無駄に高いので、互換バッテリーがおすすめです。
本体での充電になりますが、バッテリーをそのまま充電できる、外部充電器(バッテリーチャージャー)もあると便利です。
こちらも純正品(Amazon)は高いので、互換品がおすすめです。
ただ、どちらも信頼性を重視する場合は純正品の方がいいでしょう。
互換バッテリーの欠点は、安い分劣化も早いということでしょうか。
定期的に買い換える必要があります。
とはいえ、元々バッテリー(リチウムイオン電池)は消耗品です。
その点、割り切って使用できるのが、格安互換品の良いところだと思います。
【おすすめの互換バッテリーと充電器】
互換バッテリーは、純正(700mAh)より容量が多いPANASONIC VW-VBX070/D-LI88対応互換大容量バッテリー 1300mAh☆HX-WA10(楽天市場)がおすすめ。
実際に使ってみて、若干、純正品より若干持ちがよかったです。
定番はROWAさんの互換バッテリー(Amazon)ですね。
こちらも問題なく使用できました。
撮影する量にもよりますが、1日使う場合最低5個ほど用意しておいた方が良いでしょう。
(電力を喰うクイックスタート待機機能や、フルハイビジョン撮影の場合は更に予備が必要)
充電器はこちらの互換品(Amazon)を購入、使用しています。
海外でも問題なく使用できました。
【注意点と気になったところ】
注意点としては、殆どのシーンで綺麗に撮影できますが、屋内暗所の動画撮影は苦手です。(静止画は問題なし)
フルハイビジョン(1080/30p)で撮影するとノイズが軽減されましたが、基本的には屋外と、屋内はある程度の明るさがある場所用と考えた方がよさそうです。
基本的に大満足ですが、気になった部分として、おまかせiAモード(インテリジェントオート)が下ボタンで自動解除されてしまい、再度メニューから設定し直さないといけないところと、レンズカバーをもう少し着脱しやすいよう改良して欲しいところでしょうか。
特にiAモードは「撮りたいものにカメラを向けてiAボタンを押すだけ」と説明にあるのに、iAボタンなんてありません・・・。
iA固定モード、もしくはズームレンジボタンよりiAボタンが欲しかった。
下ボタン押さないように注意すればいいんですが、いつも気づいたら押してしまっているのはなぜなんだぜ。
【総評】
総評すると、コスパ重視で軽量コンパクトサイズ、HD画質で動画、かつ静止画の性能も求めたい、私のような欲張りさんにとって『HX-DC3』はぴったりの機種でした。
Xactiの系統なので、持ちやすさ、操作性の良さも問題なし。
昔のXactiエントリーモデルはおもちゃ的な画質でしたが、HX-DC3は静止画、動画共にしっかりした画像が楽しめます。
気軽に撮影を楽しむのに最適なデジタルムービーカメラだと感じました。
スマートフォンでの撮影も良いですが、思い出を残すなら専用機が一番ではないでしょうか。
それにしてもこの価格帯で、この性能の製品が買えるとは・・・良い時代になった物です。
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以下は撮影した静止画像(アルプス・スイス)です。(縮小圧縮してあります)
思ったより画質が良いので、お気に入りのカメラになりました。満足満足。