数年前まではタブレットPCといえばAndroid系かiPadしかありませんでしたが、Intelのモバイル向けプロセッサ Atomシリーズの小型化が進み、Windowsも動かせるようになりました。
当然、中華タブレットでも採用され、今ではAndroidとWindowsのデュアルOS機種が主流となっています。
管理人も興味は持ちつつ、成熟を待っていたわけですが…今年に入ってこんな記事が。
→次期Atomシリーズ(Broxton)キャンセルで格安Windowsタブレットが存続危機!?
一応ハイパフォーマンス系の次世代コアは開発が続けられているようですが、低価格帯のAtomシリーズは『Cherry Trail』で終了してしまうようです。
将来は遊び感覚で買えない価格帯になるかもしれないので、Atomが現役の今のうちに格安Windowsタブレットを購入することにしました。
まず目を付けたのがお安くなっていた『StarQ Pad W01J(Amazon)』です。
最新版Atomの前の世代『Bay Trail Refresh』で、メモリはDDR3L 1GBと、一見必要最低限なスペック。
中身は中華タブレットっぽいですが、ちゃんと国内サポートがあるのが魅力に感じました。
販売はTJCという会社ですが、会社概要を見る限り元は台湾系の企業のようです。
StarQ Pad W01J スペック
CPU | Atom Z3735G (Bay Trail Refresh) |
周波数(ターボ) | 1.33(1.83)GHz x4 SDP2.2W |
メモリ | DDR3L 1GB |
ストレージ | eMMC 32GB |
カメラ | メイン約200万画素 サブ約30万画素 |
ワイヤレスインターフェース |
Bluetooth Ver. 4.0 IEEE802.11 b/g/n |
インターフェース |
microUSB 2.0 ポート (Type B) x 1 マイク/ヘッドホンジャックx 1 microSD(TF) カードスロット (64GB Max) x 1 |
バッテリー | 3900mAh |
ディスプレイ | 8インチ 1280 x 800ドット(WXGA) IPS液晶(5点マルチタッチ) |
OS | Windows8.1 with Bing 32bit (Windows10アップグレード可) |
サイズ | 約213mm × 129mm × 10mm |
その他 |
内蔵スピーカー x 2 アナログマイク x 1 ACアダプター(5V/2A) microUSB給電 |
製品画像
付属品は説明書、保証書、Windows10アップグレードについての説明書、USB充電器&mocroUSB充電ケーブル。
見た目は普通のタブレットPC。
高級感は皆無ですが、背面のホワイトは光沢なのでプラスチック感もそんなにありません。
サイズは幅21.3cm x 高さ12.9cm x 厚さ1cm、重量は352gでした。
重量は公称の340gより10g重いですが、まぁ誤差で許せる範囲でしょう。
持ってみるとスマホに比べて画面サイズが8インチ、厚みもそこそこあるので重めですが管理人は気になりませんでした。
持ち心地もすべらず良好です。
ただ、人によっては片手で持つのはきついかもしれません。
USB充電器はチコニーエレクトロニクスジャパン 5V-2Aで、視認しづらいですがPSEマークもありました。
標準的な2A以上のUSB充電器(Amazon)で代用できます。
【液晶画面とタッチパネル】
発色が良くかなり好印象。
視野角も広く、さすがのIPS液晶。
半クリアパネルといった感じですが、表示中の映り込みはありません。
タッチパネルは5点マルチタッチ対応の静電容量式。
指での操作もキビキビとしていて、メモリ1GBという少なさを感じさせない反応が好印象。
後ほどレビューを書く予定ですが、中華タブレットより綺麗で反応がいいです。
【バッテリーの持ち時間】
こんなものかといった印象。
Wifiでインターネットといった使い方だと、実用は3~4時間ほどだと思います。
Bluetoothを切ったり、画面の明るさを調整したり、Windows10の場合はコルタナさんを切ったりすれば少しは延びそうです。
【スピーカーとヘッドフォン】
スピーカーは画面側に配置されていて、思ったよりすっきりしたいい音です。
音量も大音量ではありませんが、それなりにでます。
とはいえサイズがサイズなので低音は期待できませんが。
【発熱】
ほんのり熱くなりますが、持てないほどではありません。
ただ、発熱する場所を持たないようにして放熱を促した方が長持ちすると思います。
ベンチマーク
比較はWindows10にアップグレードしたCeleron G550(Sandy Bridge)機とノートPC iiyamaPC 17P1000-C-TRMという機種でCPUはCeleron 1037U(Ivy Bridge)です。
StarQ Pad W01Jも一度Windows10にしたのですが、Anniversary Update用の容量を確保できそうになかったので、Windows8.1に戻してあります。
回復パーティションが複数あったので、全部消去する勇気はありませんでした・・・。
なお、Windows10無料アップグレード期間は終了しましたが、有料でアップグレードすることは可能です。
公式で対応しているだけあり、アップグレード後も問題なく使用できました。
自作PC | 17P1000-C-TRM | StarQ Pad W01J | |
---|---|---|---|
CPU |
Celeron G550 (Sandy Bridge) 発売:2012 Q2 |
Celeron 1037U (Ivy Bridge) 発売:2013 Q1 |
Atom Z3735G (Bay Trail Refresh) 発売:2014 Q1 |
メモリ | DDR3-1333 16GB | DDR3-1333 8GB | DDR3L-RS 1333 1GB |
GPU |
Intel HD Graphics (850MHz-1GHz) |
Intel HD Graphics (350MHz-1GHz) |
Intel HD Graphics (311MHz-646MHz) |
SSD | Kingston SV300S37A120G | Toshiba THNSNH256GBST(HDDから換装) | eMMC 32GB |
OS | Windows10 Home 64bit | Windows7 Home Premium 64bit |
Windows8.1 with Bing 32bit |
自作PC | 17P1000-C-TRM | StarQ Pad W01J | |
---|---|---|---|
MHFベンチマーク 【大討伐】 |
935 | 1269 | 614 |
ドラゴンクエストX (低品質設定) |
2196(やや重い) | 3124(普通) | 1099(重い) | CrystalMark2004R3 |
スコア | 139107 | 119211 | 74782 | ALU | 27557 | 19454 | 19060 |
FPU | 26462 | 15656 |
17634 |
MEM | 31023 | 28382 |
14378 |
HDD | 36333 | 39855 |
14904 |
GPI | 12188 | 9710 |
3722 |
D2D | 1795 | 1453 |
2577 |
OGL | 3749 | 4701 |
2507 |
*MHF、DQXベンチは解像度1280×720、フルスクリーンです
自作PC | 17P1000-C-TRM | StarQ Pad W01J | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
|
読み込み [MB/秒] | 書き込み [MB/秒] | 読み込み | 書き込み | 読み込み | 書き込み |
Seq | 268.2 | 118.7 | 491.2 | 477.1 | 138.2 | 42.73 |
512K | 247.8 | 121.4 | 421.9 | 345.5 | 123.0 | 39.15 | 4K | 20.92 | 57.25 | 18.59 | 52.10 | 10.48 | 4.410 |
4K QD32 | 71.35 | 116.8 | 221.2 | 79.77 | 13.87 | 5.075 |
*モードはデフォルト(ランダム)です
*ファイルシステムNTFS
さすがに旧世代とはいえCeleronには敵いませんね。
eMMCはそこそこ速いUSBメモリといったレベルですが、体感的にSSDとの違いは書き込み以外感じないので不足はありません。
まだソフトウェアが少ないせいもあると思いますが、起動までの速度も10数秒程度でストレスなしです。
動画とゲーム
ゲーム的にMHFはカクカク、DQは低画質なら辛うじて動きそうですが、やはりメモリ不足が心配。
3Dゲームにはまったく向いていないでしょう。
ただ、グラフィカルでないビジネスソフトや動画ならば問題ありません。
1920×1080 H.264の動画も綺麗に再生されました。
OTG変換アダプタでUSB機器の使用も確認できました。
また、OTG変換アダプタをつないで3Dではない美少女的なゲーム、同人ゲームをmicroSDカード(64GB)にインストールしてみましたがサクサク動きました。
Wifiは1階-2階間でもしっかり繋がり、艦これの動作も問題なしです。
文字の大きさ的にうまくタッチできない場合もありましたが、今度タッチペンを試してみたいと思います。
ちなみに写真では性質上画面があまり綺麗に撮れていませんが、実際は綺麗に見えています。
総評
想像していたよりも高品質で驚きました。
正直、一昔前のKEIANタブレット的な物を想像していましたので・・・。
この大きさでWindowsがサクサク動くとか、EeePCで喜んでいた時代から比べると進歩の早さに驚かされます。
Atomの功績はとても大きいと思いますし、できれば開発を続けて欲しかった・・・。
さて、StarQ Pad W01Jですが、前世代Atomプロセッサでメモリも1GBしか積んでいないものの、使用目的次第では素晴らしいタブレットPCだと思います。
軽いソーシャルゲーム、2Dゲーム、軽いビジネスソフト、ネット動画閲覧、電子書籍閲覧などの用途ならこのスペックでも十分でしょう。
使用目的が合うならば、お勧めできるタブレットPCです。
|