IntelのローエンドPC向けデュアルコアCPU、『Celeron G1610』のレビューです。
スペックは下記の通りです。
アーキテクチャ : Ivy Bridge (第3世代Coreプロセッサー)
CPUクロック : 2.60GHz
GPUクロック : 650MHz(Turbo1050MHz) Intel HD Graphics (DirectX 11対応)
L3キャッシュ : 2MB
コア数 : 2コア 2スレッド
製造プロセス : 22nm
ソケット : LGA 1155
TDP : 55W
対応メインメモリ : DDR3-1333以上
拡張機能 : MMX, SSE, SSE2, SSE3, SSSE3, SSE4.1/4.2, Intel 64, XD bit, EIST, VT-x, Intel SpeedStep
現在発売中のデスクトップ向けIvy Bridge世代セレロンとしては、上から2番目の型番になります。
違いは前シリーズ同様、上位モデルG1620(2.7GHz)とCPUクロックが100MHz違うだけになります。
価格が1000円違う(購入検討時)ので、価格差ほどの違いは無いと判断してG1610を購入しました。
価格的にもクロック的にも、売れ筋だったG550の正式な後継モデルだと思われます。
G550との違いは下記の通りです。(DirectXを忘れておりました!)
プロセスルール : 32nm→22nm
TDP :65W→55W
GPUクロック : 850MHz(Turbo1000MHz)→650MHz(Turbo1050MHz)
GPU : DirectX 10.1→DirectX11
恐らく下位CPUシリーズ共通のアルミヒートシンクになっています。
ファンはDELTA製でした。
INTELリテール品ファンは他にNIDEC製がありますが、静音性、取り回しでDELTA製の方が優秀に感じました。
(どちらのファンも実用では何の問題もありません)
組み立ててみた諸々の感想と、旧型PCとの比較はこちらの記事をどうぞ。
ベンチマーク比較対象はCeleron G550です。
計測したPCのスペックはどちらもOS Windows 7(64bit)、マザーボード ASUS P8B75-M LX PLUS(Intel B75) 、メモリ DDR3-1066(8GB)です。
G550 | G1610 | |
---|---|---|
CrystalMark | 150244 | 162304 |
CINE(OGL) | 6.96 | 10.51 |
CINE(CPU) | 1.99 | 2.10 | MHFベンチ | 470 | 683 |
FF XI | 4372 | 4117 |
SuperPI | 1分17秒 | 1分13秒 |
消費電力アイドル | 24.7W | 23.5W |
消費電力CPU | 54.1W | 40W |
消費電力GPU | 36.8W | 39.5W |
*CrystalMark=CrystalMark 2004R3総合スコア
*CINE(OGL)=CINEBENCH 11.5 OpenGL/fps
*CINE(CPU)=CINEBENCH 11.5 CPU/pts
*MHFベンチ=MHFベンチマーク 【大討伐】 1920×1080
*FF XI=FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークソフト3 High
*消費電力CPU=負荷(CPU)を与えた時のピーク時の消費電力
*消費電力GPU=負荷(GPU)を与えた時のピーク時の消費電力
FFXIベンチだけなぜかスコアが落ちていますが、殆どの面で順当にG550より性能アップしています。(ターボの必要無しと判断されたのかも?)
TDPが引き下げられているだけあって、ピーク時の消費電力量もかなり抑えられていますね。
また、セレロンはIntel HD Graphicsに番号が与えられていないので詳細はわかりませんが、GPUスコアもかなり伸びています。
Core iシリーズと同様、アーキテクチャがIvy Bridgeになり改良されているようです。
*追記ですが、内蔵グラフィックスはG550のDirectX 10.1からDirectX 11対応になっています。(ゲームやらないのですっかり失念していました)
また、11対応と言うことは、DirectCompute、OpenCL(GPGPU)にも対応ということですね。
対応ソフトウェア(主にゲーム、動画エンコード、画像処理ソフト)を使う場合は効果が実感できそう。
Windows XPオンリーだった私は時代から取り残されていたのだなぁと痛感しました。
なお、発熱、音も気になりませんでした。リテールファンで十分だと思います。
総合的に見て、同じ価格だったら、あえてG550を選ぶ必要性はなさそうです。
ただ、アイドル時などの消費電力はそんなに変わらないので、負荷をかけない用途の場合はどちらでも同じでしょう。
グラフィックス性能はかなりアップしていますが、どちらにせよある程度重い3Dゲームをする場合は、グラフィックスボードが必要になるので、こちらもあまり関係無いですね。
G550で満足しているなら強いて買い換える必要性はないと思いますが、新しく購入する場合は断然G1610がおすすめです。
DirectComputeなどに対応したソフトウェアを使う場合も効果を発揮しそうですし。
また、ある程度負荷がかかる作業をしている場合も、消費電力的に買い換える意味はあると思います。
それにしても、メインPCのCore2DuoはG550にも負けていたのに、G1610相手では完全に敗北・・・。
安くて速い、素晴らしいコストパフォーマンスに脱帽です。
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